故きをたずねて新しきを知る

小生は最先端の事が大好き
先駆的技術をある意味では牽引していると自負している。
近代のIT技術が無ければ今日の自分は無いと言っても過言ではないくらい
自分の身の回りには先駆的デジタル技術を投入された電子機器が並んでいる

パソコンが使えないシニア世代をあざ笑うかのように手足のように
器用にネットワークを操り自由自在に情報を手のひらに乗せて
事務所など不要とも思えるような情報通信環境の中で仕事をしている。

過去に移動時間は無駄という講演を聞いたことがあるが小生に言わせれば
移動時間でも事務所と変わらない環境で仕事が出来る。

メール、ファックス、図面、積算資料、そのすべてをまとめた資料を
出先で確認し色々指示することが出来る。

もうこんな日常は現代では当たり前。
ビジネスマンは日々休む間もなく仕事が出来る。

自社工場の鉄骨工作機械もどんどん進化を遂げていてより精度の高いモノを
早く作れるようになっている。
この10年事務所や工場のインフラに散々投資した。
小生が率いる集団の技術力、生産力、そして現場のノウハウ。
誰よりも自分が一番知っていると自負している。
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しかし昨日、久々に天草の現場視察に行って残念に思ったことが多々あった。
本当はこんなんじゃないのにな~~~と思ってしまう反省点
現場でモノを見るともう一度原点に立ち返ったような気になる。

設計段階でもっと詰めておけばと思う面、経済的構造的観点も含めて
当時の自分をちょっと責めた。決して失敗作でもなければ駄作でもない。
安全にしっかり機能するインフラは提供できている。
そもそも鋼構造というものはしなやかで軽量でそのしなりと靭性を味方
につける設計をし力学的に有利な軽量かつ強靭な構造体を提供したいと
考えている。

本件に限って言うともうちょっと細く軽く出来たのではないかと
自分に問うのである。
手間暇と情熱を注いで作ったものは自分で納得がいくもので
大雑把に見て過ぎていったものには悔いが残る。
構造的な危険性は無く安全であることには間違いないのだが
現場を見るとあれこれ反省点がでてくるものである。
今手掛けている仕事はこの類の反省点は残したくない。

時間と手間をかけると思いは強くなるもので
子育てにしても、料理にしても、野菜の栽培や
もちろん我々のモノづくりの世界。

小生はナルシストの気が強く、自分が作った鉄骨に惚れ込み
見惚れることが出来る人種。プロセスにしか興味がない
文系の人間とはちょっと異質である。。

自分のモノづくりに自信が出てくると色んなことに挑戦したく
なるわけで、小生の人生はまさにこの挑戦と失敗の連続だった
膨大な数のトライ&エラーを繰り返す中でノウハウを捕まえてきた

何故失敗を繰り返したか?それは年寄りの話に耳を傾けなかった
からである。。年寄りの話を聞くと・・・
また、、今時そんなんじゃとか
時代遅れとか、、思たこともあるし言い放ったこともある。
自分たちのほうが最先端であり彼らより上ともとれるような態度で
自分の仕事に誇りを持ち立ち向かっていた。
後退せず押し続けて走って来た20代30代
そんなんじゃ失敗も続くわけだが、とうとう40歳を迎えた。

想像もできなかったターニングポイントを迎えている。
地震で揺れた郷土。人の弱さや自然の驚異を肌で感じ
自分たちが作ってきたものそしてこれから作るべきものを
本気で考えている。
しかし学べるものは未来ではなく過去にあった。

18世紀、江戸末期から明治にかけてわが郷土には種山石工という
伝説の石工集団が存在した。あの通潤橋を架けた
橋本勘五郎率いる石橋を架けるスペシャリスト集団である。
その功績は日本中に点在し現代でもインフラとして多数現存する

彼らのアーチ効果を用いた石積技術には当時の夢と情熱と挑戦が
感じられる。
農民の生活を豊かにし地域の発展に貢献し後世に残る建造物を
作り上げたのだ。

現代でも同じではないだろうか。
モノづくりには夢と情熱が詰まっている。
請けた仕事を「タダやるだけ」なんてつまらないでしょ。

もっと考えて考えて考え抜かれたモノづくり
エンジニアとして誇りを持てるモノづくり

そんな気持ちを忘れちゃならん

by artcool | 2017-04-06 14:31

熊本県八代市で働く鉄工所3代目社長日記。


by artcool
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